「作るのは楽しい。続けるのは、思ってたよりずっと大変だった。」

どうも、レイと申します。

9月も終わりが見えてきましたが、沖縄はまだまだ暑いです。朝晩がほんの少しだけマシになった気がするような、しないような……。カレンダーだけ秋、というのは毎年のことなので、もう慣れました笑

さて、今回はちょっと言いづらいお知らせと、その裏話です。

僕が個人開発していたミルポンとShaKeeperの2つのアプリを、2026年10月4日でサービス終了することにしました。

⚠️ ご利用中の方へ

2026年10月4日をもって、ミルポン・ShaKeeperともにサービスを終了します。新規登録の受付はすでに終了しています。

登録されているユーザーデータは、終了日当日(10月4日)にすべて削除します。削除後は復元できませんので、残しておきたい記録がある方はそれまでに控えておいてください。

僕の本業はインフラエンジニアで、アプリ開発については完全に素人です。コードはAIと一緒に書く、いわゆるバイブコーディングで作りました。そんな素人が勢いでアプリを2つ公開して、そしてわりとすぐに閉じることになりました。

失敗談を書くのはちょっと恥ずかしいんですが、「個人開発でアプリを出してみたい」と思っている人の参考になればと思って、理由を正直に書いておきます。

どんなアプリだったか

知らない方のために、まずはざっくり振り返っておきます。

アプリ何するやつフレームワーク
ミルポン赤ちゃんの育児記録をワンタップでSvelteKit
ShaKeeper車検の満了日と、給油・整備の記録をまとめて管理Next.js

どちらもバックエンドは Cloudflare の D1 と Hono で、インストール不要の PWA でした。スマホでもPCでも、ブラウザを開けばそのまま使える形です。

ミルポン

赤ちゃんのミルク・睡眠・おむつ・体調を、ボタンをポンと押すだけで記録できる育児記録アプリです。

  • ワンタップ記録(これを「ポンする」と呼んでいました)
  • 授乳回数や経過時間が分かるデイリーサマリー
  • 週間・月間のグラフ表示
  • Googleログインで家族間の共有・同期
  • CSVエクスポート

「夜中に何時にミルクあげたっけ?」を家族みんなで見られるようにしたい、というのが狙いでした。

ShaKeeper

車検の満了日を忘れないためのアプリです。

  • 満了日までの残り日数を色分けで表示
  • 給油・整備の記録(費用やメモも残せる)
  • 複数台の車をまとめて管理
  • Googleアカウントで1分登録、完全無料

クルマ好きとしては「車検いつだっけ?」問題をなくしたかったんですよね。車を何台も持っている人なら、なおさら分からなくなると思うので。

作ったときの話は、こちらの記事に書いています。

この記事で「ミルポンとShaKeeperはOPENβで、実際に使ってくれてる方がいます」と書いたんですが、そこから2か月ほどで終了のお知らせを書くことになりました。早すぎるだろ、というツッコミは甘んじて受けます。

なんで終了するのか

変に取り繕っても仕方ないので、正直に書きます。

現実的な理由: 時間とお金と、利用者の少なさ

まずは分かりやすいほうから。

1. 時間がない

仕事をしながら2つのアプリの面倒を見るのは、思っていた以上に重かったです。

アプリって、公開したら終わりじゃないんですよね。依存パッケージの更新、ちょっとした不具合の修正、ちゃんと動いているかの確認。どれも1回あたりは小さいんですが、2つ分となると地味に時間を持っていかれます。

2. お金がかかる

少額とはいえ、動かしている限りは毎月ちょっとずつお金が出ていきます。

使ってくれる人がたくさんいるなら全然気にならない額なんですが、使う人が少ないとなると話は別。「これ、誰のために払ってるんだっけ?」と考え始めると、じわじわ効いてきます。

3. 利用者が少ない

OPENβでの利用者は、ざっくり3〜10名くらいでした。

使ってくれた方がいたこと自体は、本当にうれしかったです。ただ、意見や感想が僕の耳に届くことはほとんどありませんでした。

これがけっこうしんどくて。何が良くて何が足りないのかが見えないまま、手探りで運用し続けることになるんですよね。反応がないと「そもそも使われているのか?」すら分からない。

この3つ、ひとつずつなら耐えられたと思います。でも3つセットになると、続ける理由がだんだん見つからなくなっていきました。

「こんなサービス、誰も使わんよ」

ここからは気持ちの話です。

開発中、ある人に「こんなサービス、誰も使わんよ」と言われたことがあります。

……普通にへこみました笑

悪気があったわけじゃないのは分かっています。それに、結果的に利用者も多くはなかったので、言ってること自体は正しかったのかもしれません。

でも、作っている本人からすると、けっこう刺さる一言でした。自分では「これ便利じゃん!」と思って作っているので、真正面から否定されると「え、そうなの……?」と一気に自信がなくなるんですよね。

いま振り返ると、あの一言はちゃんと受け止めて「じゃあ誰なら使うのか」を考えるきっかけにすべきだったと思います。当時の僕は、へこむだけで終わってしまいました(´・ω・`)

アイデアが尽きて、熱が冷めた

公開してしばらくは「次はあれを入れよう、これを入れよう」と楽しかったんです。

でも、ある程度作り込んだところで「次に何を足せばいいのか」が完全に分からなくなりました。

アイデアにどん詰まる → 手が止まる → 手が止まるとさらに熱が冷める → ますますアイデアが出ない。完全に負のループです。

個人開発って、会社の仕事と違って締め切りも上司もいません。自分の「やりたい」だけが燃料なので、それが切れると本当にピタッと止まるんですよね。

要するに、飽きました。

ここを「諸般の事情により」とか書くのは違うと思うので、正直に書きます(´・ω・`)

そもそも、子どもいないのに育児アプリは無理があった

ミルポンについては、これが一番大きかったかもしれません。

僕、子どもいないんですよ。

育児記録アプリなのに、作っている本人が育児をしていない。なので「実際の育児で本当に困るのはどこか」が肌感覚で分からないんです。

たとえば、夜中の何時にどんな画面が見たいのか。片手で赤ちゃんを抱えながら、どのボタンなら押せるのか。家族のどっちが、どのタイミングで記録を見るのか。こういうのって、たぶん実際にやっている人にしか分からない。

想像で機能を足すことはできても、それが本当に役に立つのかは確かめようがありませんでした。前の「アイデアが尽きた」話も、根っこはここにあったんだと思います。

冷静に考えたら、そりゃアイデアも尽きるわという話です笑

どっちにも、ベテランの競合がいる

育児記録アプリも、車の管理アプリも、何年も運用されている定番アプリがすでにあります。

機能をひとつ思いついて調べてみると、だいたい先輩アプリがもうやっている。しかも、向こうのほうが作り込まれている。何を実装しても「〇〇のパクリ」になるんですよね。

個人開発で勝負するなら、先輩たちがやっていない尖った部分が必要です。でも、当事者じゃない分野(ミルポン)と、すでに完成された分野(ShaKeeper)で、その尖りを見つけることはできませんでした。

それでも、ここは良かったと思ってる

ネガティブな話ばかりになったので、心残りもちょっと書かせてください。

「ポンする」は、今でもいいアイデアだと思う

ミルポンの「ポンする」という発想は、今でも気に入っています。

ミルクをあげた、おむつを替えた、寝た、をワンタップでポンと記録する。入力フォームを開いて、時間を選んで、保存ボタンを押して……みたいな手間をとにかく削りたかったんです。

育児中って片手が塞がっていることが多いはずなので、「とにかく押すだけ」にしたのは方向性として間違ってなかったと思っています。記録するという行為に「ポンする」という名前を付けたことで、アプリの性格がはっきりしたのも良かった。

いつか何か別のアプリを作るときにも、この「操作そのものに名前を付ける」考え方は持っていきたいです。

ShaKeeperのネーミングは、なんとかならんかったのか

一方こっち。

ShaKeeper。

……今見返しても、なんとかならんかったのかと思います笑

読み方も分かりづらいし、大文字の位置もややこしい。初めて見た人は、まず何のアプリか分からないと思います。

しかも僕自身、ポートフォリオでは「Shakeeper」、ブログでは「ShaKeeper」と表記がブレています。作った本人が統一できていない時点でお察しです(^o^)

名前って、アプリの第一印象そのものなんですよね。ミルポンが「なんとなく何のアプリか分かる」「口に出しやすい」名前だったぶん、余計に差を感じます。

サ終のやり方で気をつけたこと

インフラエンジニアとしては、閉じ方もちゃんとしておきたかったので、手順はこうしました。

  1. 新規登録を止める(すでに実施済み)
  2. 告知する(ポートフォリオの表示を変えて、この記事を書く)
  3. 終了日(10月4日)にユーザーデータを削除する

データを当日すぐに消すのは、もう面倒を見ないサービスに、人の記録を置きっぱなしにしたくないからです。育児記録も車の記録も、ちょっとした個人情報のかたまりです。運用しないのに保管だけ続けるのは、作った側の責任としてよくないと思っています。

公開してみて気づいたこと

終了するとはいえ、やってよかったとは思っています。アプリ開発の素人が、実際に公開して、閉じるところまでやったからこそ分かったことを残しておきます。

  • 作るより、続けるほうがずっと難しい
    • AIのおかげで、「作って公開する」ハードル自体はかなり低くなりました。でも「運用し続ける」「次のアイデアを出し続ける」ハードルは、ほとんど下がっていませんでした
  • 自分が当事者じゃない分野は、続かない
    • 困りごとを自分で体験できないと、改善のネタが出てこない。ミルポンで痛感しました
  • 声を拾う仕組みは最初から入れておくべきだった
    • 意見が入ってこなかったのは、利用者が少なかったからだけじゃなく、フィードバックを送る導線をちゃんと用意していなかったのも大きいと思います
  • 否定的な意見こそ、ヒントにすべきだった
    • 「誰も使わんよ」にへこむだけじゃなく、「じゃあ誰が使うの?」まで考えられていれば、何か変わっていたかもしれません
  • 手を広げすぎた
    • ミルポン・ShaKeeper・ちゅらPIN!・Charin と、気づけば4つ抱えていました。1人でこの数は多すぎた
  • 名前は大事
    • これはShaKeeperの件で身にしみました笑

インフラの仕事では「作ったものを止めずに回し続ける」のが当たり前なのに、自分の個人開発になるとそこの見積もりがガバガバだったというのは、ちょっと反省しています笑

これから

今後は ちゅらPIN! に集中します。沖縄のドライブ情報をみんなで共有するマップで、今は合言葉が必要なクローズドβです。

こっちは沖縄に住んでいてドライブが趣味の僕自身が当事者なので、ミルポンのときみたいにネタ切れすることはない……はずです。今回の反省を活かして、フィードバックを受け取れる仕組みもちゃんと考えていきます。

ミルポンとShaKeeperは、ポートフォリオに「サービス終了」として残しておきます。うまくいかなかったとはいえ、作って、公開して、閉じるところまでやったこと自体は、僕にとってちゃんと経験になったので。

おわりに

ミルポンとShaKeeperを使ってくださった皆さん、本当にありがとうございました。

少ない人数だったからこそ、「誰かが実際に使ってくれている」という事実がすごく励みになっていました。最後まで使ってくださった方には、急なお知らせになってしまいすみません。

あらためて、終了日は2026年10月4日、ユーザーデータは当日に削除です。

個人開発で「アプリを出してみたい」と思っている方がいたら、作る前に「自分はこれを1年後も触っていたいか?」「自分が使う側の当事者か?」を一度考えてみてください。僕はそこを考えずに走り出して、公開してすぐ止まることになりました(^o^)

次回こそは、前回予告した「Claude Code にどこまで任せているか」の話を書くつもりです。今回みたいに手を広げすぎないためにも、AIとの距離感はちゃんと整理しておきたいんですよね。

それでは!次回もよろしくお願いします(^o^)